アー写とは「アーティスト写真」の略で、宣材写真とも呼ばれます。アー写は、公式サイトや外部メディアに掲載され、新しい楽曲の発表とともに更新されることも少なくありません。
この記事では、アー写の意味などの基本情報に加え、アイドル・バンドのアー写の特徴を紹介します。また、アーティスト活動をしてる方やアー写の撮影に悩む方に向けて、アー写はプロに頼むべきかどうかや、アー写を撮る手順についても解説するため、ぜひお役立てください。
1.アー写とは?
「アー写」とは「アーティスト写真」の略称で、アーティストやタレントが宣伝用としてマスコミに提供する宣材写真のことです。事務所のサイトに、プロフィールとともに掲載される公式写真としても使われます。音楽アーティストは新しいCDや楽曲を発表する際に新しいアー写を公開することもあります。
アー写はインタビュー記事やプレスリリース、出演番組などで顔写真を公開する際に使われていることが多いです。元々は業界用語でしたが、最近ではファンの間でも使われます。
アー写の使い方
- 新しいアー写は今までと違った大人っぽい雰囲気が出ている。
- このアイドルは笑顔も可愛いが、アー写の真面目な顔もいい。
1-1.ジャケ写との違い
「ジャケ写」とは「ジャケット写真」の略称で、CDやDVDなどのパッケージに使われている画像作品を意味する言葉です。作品によっては、アーティストの写真が使われていないジャケ写なども存在します。
ジャケ写の使い方
- アーティスト自身には詳しくないけれど、ジャケ写に惚れてCDを買った。
- このバンドのジャケ写はいつもユニークでインパクトがある。
ジャケ写は作品が公開されるたびに新たなものが公開されますが、アー写には枚数や公開日にルールはありません。ただし音楽系アーティストの中には、楽曲やCDをリリースするたびに新しいアー写を公開している方もいます。また、アー写は、風景や背景のシンプルな写真で、アーティストの容姿をより全面に押し出す傾向があります。
2.アー写の特徴
アー写はホームページやSNS、ライブのフライヤーなどさまざまなメディアに掲載されることもあり、時には人気を左右することもある大切な写真です。
そのため、アーティストの音楽性やアイドルとしての方向性が伝わるように衣装や撮影風景、表情にこだわって撮影します。
2-1.アイドルグループ
アイドルグループのアー写は、グループ全体のものと個人それぞれを撮ったものの2通りが用意されていることが多いです。グループの人数が多いほど、全体写真では一人ひとりの顔が小さく見えづらくなります。アイドルグループの中でも特に一人を応援しているファンも多いため、個人の写真があると喜ばれます。
アイドルのアー写は、自然な笑顔で撮るようにしましょう。表情が硬すぎたり、目を細めすぎたりしないよう注意が必要です。オーディション写真では笑顔である必要はありませんが、自然な表情のバストアップ写真と、スタイルの分かる全身写真を用意しましょう。審査員から好印象を得られます。
2-2.ミュージシャン・バンド
ミュージシャンやバンドなど音楽系のアーティストは、インパクトのあるアー写が多いのが特徴です。複数のアーティストと一緒に活動する音楽活動も多く、フライヤーの中でその他大勢のバンドに紛れてしまわないよう、注目を集める必要があります。
音楽系アーティストのアー写は、音楽性や世界観が一目で伝わるよう、背景や服装に一貫性を持たせましょう。例えば、ハードロックバンドなのに淡い色彩の服装や美しい自然風景をバックにしたアー写を公開すると、ポップス系のバンドなのかと勘違いされてしまいます。
3.アー写は自分で撮る?プロに頼む?
最近では一眼レフやスマホカメラの性能が向上し、素人でも簡単に美しい写真を撮ることができます。ただし、イメージ通りにインパクトのある写真を素人が撮影するのはかなり大変です。プロフィール画像として長期間使う予定であれば、プロのカメラマンに頼んだほうが費用対効果を見込めるでしょう。
プロに頼むには、フォトスタジオに依頼するのが一番メジャーな方法です。最近ではクラウドソーシングサービスの「フォトワ」や「ココナラ」を通じてフリーのカメラマンに出張撮影を依頼する方法もあります。
4.アー写の撮り方|STEP別に解説
アー写は、自分で機材やロケ地を準備して撮ることもできます。プロに頼んだ場合でも、自分で撮影する場合と同様の手順が必要になることが多いため、どのような流れで撮影を行えばいいのか押さえておきましょう。
ここではアー写を撮るために必要な機材や検討しておくべきことなどを、実際の撮影の流れに沿って紹介します。
4-1.【STEP1】必要な写真のタイプや枚数を検討する
撮影の前に必要な写真のタイプや枚数を検討します。基本的には、全身画像とバストアップ画像の両方を用意しましょう。グループで活動しているのであれば、ソロ写真のほかにメンバー全員の集合写真も必要です。
バンド名やライブ情報などを後から加工で書き込むこともできるため、自分で撮影するときは無地の壁などをバックにして背景に余白を作るのがポイントです。バンドの集合写真には、音楽性が感じられる風景を背景として使うこともあります。
4-2.【STEP2】撮影場所を決める
写真を撮る場所を決める際は、撮影場所の下調べ(ロケハン)が必要です。撮影に適した明るさや広さがあるか、通行人が映りこまないように撮れるかといった点に注意して下調べをしましょう。屋外の撮影では天候に左右される可能性があることも考える必要があります。
街中や公園であればグッと雰囲気の引き立つ撮影ができますが、店舗や公共施設での撮影は許可が必要です。その他、写真館やスタジオ、レンタルスペースを借りて撮る方法もあります。
4-3.【STEP3】衣装やポージングを決める
服装は自分のイメージに合ったものを用意しましょう。音楽系のアーティストやダンサーの方であれば、ステージ衣装で撮影するのも1つの方法です。俳優やアイドルの場合は、清潔感のある綺麗なシャツやブラウスがいいでしょう。女性であればワンピースもおすすめです。
撮る際は背筋を伸ばし、自然な表情を心がけます。直立不動の姿勢や硬すぎる表情では魅力が伝わりにくくなるため、避けたほうがいいでしょう。足をクロスさせたり、手を腰に当ててやや重心を左右のどちらかに寄せると、自然なスタイルの中にも動きのある写真が撮れます。
4-4.【STEP4】スケジュールを決める
アイドルやバンドなどで、メンバーが複数人いる場合は、全員のスケジュールを調整して撮影日を決める必要があります。カメラマンや照明スタッフといったメンバー以外の協力者がいる場合は、早めに予定を聞いて調整するようにしましょう。
そのほか、撮影場所の予約や小物の調達なども、撮影日に使えるようあらかじめ準備しておく必要があります。
4-5.【STEP5】撮影する
撮影には一眼レフカメラがあれば便利ですが、最近はスマホのカメラでも高画質な写真を撮ることができます。自然な角度の写真になるよう、自分で撮る場合は三脚の使用がおすすめです。室内灯の明かりは思っているよりも暗いものなので、ストロボや定常光ライト、レフ板もあると便利です。
最初の1枚でベストショットを撮ろうとせず、角度やポーズを変えながら何枚も撮影します。後から一番良い写真を選ぶつもりでさまざまなパターンを撮影するとよいでしょう。
4-6.【STEP6】編集する
撮影した写真の明るさや色味を編集し、より見映えのいいアー写に仕上げます。バンド名やロゴを書き込む編集も、この段階で行います。スタンプや文字を入れすぎたり輪郭を修正しすぎたりすると不自然な写真になるため、加工しすぎないよう注意しましょう。
スマホでも使えるおすすめのアー写加工アプリとして、「Adobe Lightroom」や「Snapseed」がおすすめです。どちらのアプリも切り抜きや色の調整など本格的な編集が簡単な操作で行えます。無料で使える機能が多いこともポイントです。
まとめ
アー写はアーティストの宣材写真のことで、CDやDVDのパッケージに使われるジャケ写とは、公開のタイミングやコンセプトなどが異なります。アイドルグループやバンド系など、アーティストによって、アー写の傾向は異なります。
アー写は自分で撮影することもできますが、プロに依頼したほうが、イメージ通りの写真を短時間で撮影することができるでしょう。撮影の際は、必要な写真の種類を確認した上で、ロケハンやスケジュール調整を行います。1枚だけではなく、複数枚の写真を撮影しておき、後からベストショットを吟味すると失敗が少ないでしょう。
※当記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています