韓国ドラマ「ミセン」は、韓国のウェブコミック「WEBTOON」で大ヒットした原作をもとに作られた作品です。著者であるユン・テホ先生は、韓国のIMF危機が起こった際に企業関連の知識を勉強し、その後賭け囲碁士の作品を作ろうと囲碁についても勉強したものの、どちらも途中で勉強を諦めました。その約10年後に出版社から囲碁とサラリーマンをテーマにした作品依頼が来て運命を感じ、「ミセン」の作品作りに至りました。
「ミセン(未生)」というのは、韓国特有の囲碁用語で、死んでもいない、生きてもいない石のことを指します。
当記事では、韓国ドラマ「ミセン」のあらすじや相関図、キャスト10名の魅力や代表作品などを解説します。
1.韓国ドラマ「ミセン」とは?あらすじも紹介
「ミセン(未生)」は、大ヒットしたウェブコミックが原作の韓国ドラマです。社会派のヒューマンドラマとして多くの世代から共感を集めて社会現象を引き起こしました。本作は韓国で数々の賞を受賞し、日本でも注目を集め、リメイク作品や舞台作品が放送・上演されています。
主人公のチャン・グレは、父親の他界をきっかけに、幼少の頃から目指していた囲碁棋士の道を諦めた青年です。バイトに明け暮れていた26歳のとき、母親の伝手で大手総合商社にインターンの機会を得て、なんとか2年間の契約社員として入社にこぎつけました。
学歴も社会経験もなくコピーすら満足に取れないグレですが、配属先の営業3課では囲碁で身に着けた洞察力を生かし、徐々に周囲の人たちに認められるようになります。
ドラマの中では、男尊女卑に苦しむ同期の女性アン・ヨンイや営業3課のメンバーたちとの関係とともに、グレが自分の人生の意味を見いだしていく姿が描かれています。
2.韓国ドラマ「ミセン」のキャストを10名紹介
「ミセン」の見どころは、主人公グレの成長にくわえて、彼を取り巻くさまざまな立場の人々をリアルな視点で描いている部分です。学歴主義や男尊女卑といった現実の非情さの中で、グレやヨンイたち登場人物が力強く生きていく姿が丁寧に描かれたことで、幅広い世代からの共感を呼びました。
「ミセン」の重厚なヒューマンドラマを支えているのが、魅力的なキャスト陣です。ここでは、「ミセン」のキャストから10名をピックアップして紹介します。
2-1.チャン・グレ役/イム・シワン
主人公のチャン・グレは、目指していた棋士の道を断念した青年です。インターンとして、入社した大手総合商社では厳しい現実に直面しながらも必死で生き抜いていきます。
グレを演じるイム・シワンさんは、アイドルグループ「ZE:A」のメンバーです。2012年のドラマ「太陽を抱く月」から俳優としても活動しています。テロリストやラブロマンスの主人公など幅広い役柄をこなし、2024年には人気作「イカゲーム2」への出演も決まっています。演技の実力の高さだけでなく、人柄が良いことでも有名です。
2-2.アン・ヨンイ役/カン・ソラ
アン・ヨンイはグレの同期で、資源2課に所属している女性です。インターン中に大型契約を成立させるなど同期の中でもトップクラスに有能な人材ですが、有能さゆえに男性社員に目の敵にされます。
アン・ヨンイ役のカン・ソラさんは、男女ともに好感度の高い実力派女優です。東国大学演劇学科に所属し制作志望だったものの、方針を変えて女優としてデビューした経歴を持っています。SNSに飾らない自然体で過ごす様子を掲載するなどおちゃめな人柄で、抜群のスタイルと美貌からも多くのファンに支持されています。
主な出演作は、映画「サニー 永遠の仲間たち」やドラマ「ドクター異邦人」「街の弁護士チョ・ドゥルホ」などです。
2-3.チャン・べッキ役/カン・ハヌル
チャン・べッキは、鉄鋼1課に所属するグレの同期です。エリートとしてのプライドが高く、高学歴で優秀なものの、正社員登用後に挫折を味わいます。
チャン・べッキ役のカン・ハヌルさんは、アクション・時代劇・ラブロマンスと幅広い作品に出演する実力派俳優です。「相続者たち」など多数の人気作に出演しています。礼儀正しく謙虚な人柄で、「美談製造機」と呼ばれるほどです。ファンサービスも旺盛で、実家の手伝い中にも詰めかけたファンの写真撮影に快く応じたエピソードもあります。
2-4.ハン・ソンニュル役/ピョン・ヨハン
ハン・ソンニュルはグレの同期で、繊維1課に所属する人物です。ブルーカラーの父親の影響を受けて現場主義を貫く一方で、話好きのお調子者という側面を持ち、同期のムードメーカーとして活躍します。
ハン・ソンニュルを演じるピョン・ヨハンさんは、ドラマだけでなくミュージカルにも多数出演している俳優です。クリスチャンの家系に生まれ、聖書に登場する「ヨハネ」が名前の由来となっています。ヨハンさんの性格はソンニュルと違い、物静かで人見知りですが、打ち解けるとおちゃめな一面を覗かせます。中国のハルビンへの留学経験があるため、中国語も堪能です。
2-5.オ・サンシク役/イ・ソンミン
オ・サンシクは、グレが所属する営業3課の課長です。専務と対立し、地味な仕事ばかりの営業3課に回された経緯があります。ワーカホリックで、小学生の息子を3人持つ父親でもあります。
オ・サンシク役のイ・ソンミンさんは、名バイプレイヤーとして知られる俳優です。もともとは舞台俳優でしたが、「未成年裁判」や「パスタ」といったドラマにも多数出演しています。特に話題になったのが、「記憶~愛する人へ~」です。イ・ソンミンさんはこのドラマで主演として、アルツハイマー病にかかった弁護士という難しい役を演じきっています。
2-6.ハ・ソンジュン役/チョン・ソクホ
ハ・ソンジュンは資源2課の代理で、アン・ヨンイの直属の上司にあたる人物です。気難しく、女性の身で活躍するヨンイを認めようとしない役です。
ハ・ソンジュンを演じたチョン・ソクホさんは、2000年に映画「なせば成る」の端役でデビューしました。他にも、2020年の「ハイエナ―弁護士たちの生存ゲーム―」や「キングダム」シリーズなど、話題作を含めて多数の作品に出演しています。演技の幅が広く、ハ・ソンジュンのような気難しい役から愉快なキャラクターまでを演じ分けています。
2-7.ソン・ジュンシク役/テ・イノ
ソン・ジュンシクは繊維1課の代理です。ハン・ソンニュルの直属の上司で、部下のソンニュルと対立する役どころです。
ソン・ジュンシク役のテ・イノさんは、本名を「パク・サンヨン」と言い、俳優のパク・ヘジュンさんとはいとこ同士です。ヘジュンさんとは「ミセン」で共演を果たしています。
俳優としては、2004年に映画「下流人生」でデビューしました。ソン・ジュンシクのような悪役を演じることが多く、ドラマ「ダーリンは危機一髪」ではメインキャストに抜擢されています。
2-8.ソン・ジヨン役/シン・ウンジョン
ソン・ジヨンは営業1課の次長で、オ・サンシクの同期です。社内での信頼も高く、ワーキングマザーとして精力的に仕事をこなす一方で、仕事と家庭の両立に悩んでいます。グレや営業3課の味方となる人物です。
ソン・ジヨンを演じたシン・ウンジョンさんは、14歳のときに放送局でスカウトされ、子役としてデビューを果たした、高い演技力を持った女優です。撮影中に目のケガを負うなど、トラブルで女優業を休業することも多いものの、ウンジョンさんは何度も復帰を果たしています。ドラマ「ペントハウス」では派手好きな悪女を演じ、話題になりました。
2-9.キム・ドンシク役/キム・デミョン
キム・ドンシクは営業3課の代理で、グレの先輩です。仕事は完璧にこなすタイプで、先輩であるオ・サンシクを慕っています。純粋で女性と付き合ったことがなく、母親と2人暮らしです。
キム・ドンシク役のキム・デミョンさんは、27歳で舞台デビューした遅咲きの俳優です。一般人からサイコパスの犯罪者まで、幅広い役柄をこなす演技力を持っています。代表作のドラマ「賢い医師生活」では、内気な産婦人科助手教授を好演しました。デミョンさんは普段は明るい性格で、人を笑わせるのが好きなタイプです。
2-10.カン・ヘジュン役/オ・ミンソク
カン・ヘジュンは、鉄鋼1課の代理で、チャン・ベッキの直属の上司にあたる人物です。正社員として配属されたベッキに冷たくあたるものの、ベッキを徐々に成長させていきます。
カン・ヘジュン役のオ・ミンソクさんは、軍に入隊中、友人が芸能界入りしたことをきっかけに芸能界を意識し、除隊後に俳優を目指しました。デビュー以降はドラマ・映画・ミュージカルと多様なステージで活躍しています。ピアノやギター、ドラムなどの演奏を得意とし、穏やかかつ飾らない人柄も魅力です。
まとめ
韓国ドラマ「ミセン(未生)」は、韓国で複数の賞を受賞した大人気ヒューマンドラマです。総合商社を舞台に会社員生活の現状をリアルに描いています。
キャストを務めるのは、演技ドルとしても有名なイム・シワンさんをはじめ、実力派女優のカン・ソラさん、名脇役として有名なイ・ソンミンさんなど名だたるメンバーです。社会人であれば共感する場面も多いドラマのため、一風変わったリアリティのある韓国ドラマに興味がある方はぜひ一度ご覧ください。
※当記事は2024年6月時点の情報をもとに作成しています