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バンドの構成と各パートの役割|楽器以外で必要な担当

バンドの構成と各パートの役割|楽器以外で必要な担当

バンドを結成する上で役割分担は重要な項目です。バンド内での役割は、人数や担当する楽器によって決まるのが一般的です。3人以上でバンドを結成する場合は、楽器以外にも役割を決めておくと音楽活動がしやすくなるでしょう。

この記事では、バンドの基本的な構成と、各パートの役割について解説します。楽器以外の役割や、2~5人のバンドの構成例についても紹介するので、音楽活動を始めたい人はぜひ当記事をお読みください。

1.バンドの基本的な構成|各パートの役割

バンドを構成する楽器にはそれぞれ特徴や役割があり、向き不向きもあります。メンバーを募集・採用する際は、役割に適しているかを確認することが大切です。

ここでは、バンドの基本的な構成から、各パートの特徴と役割、向いている人についてご紹介します。新しくバンド活動を始めたい人、バンド仲間を集めたい人は参考にしてください。

1-1.ボーカル

ボーカルは、バンドの顔とも言われるバンドの中心的な存在です。一番目立つパートで、ライブではボーカルがMCを担当するケースがほとんどです。そのため、緊張しやすい人には向いていないかもしれません。歌唱力はもちろん、オリジナル曲の作詞を担当することが多く、文章力・表現力・センスも求められます。

ボーカルに向いている人の特徴は、次のような人が挙げられます。

  • 歌うのが好きな人
  • 目立つのが好きな人
  • 自分に自信を持っている人
  • 話すのが好きな人

1-2.ギター

ギターはバンドの中でも花形と言われ、メロディラインを担ったり、曲の雰囲気やコード感などを伝えたりなど、バンドの世界観を決めるパートです。曲中にスポットライトを浴びてソロ演奏をすることも多く、楽器の中では一番目立つポジションとなります。ボーカルと兼任することも少なくありません。エフェクターが多く、たくさんの音色が出せる反面、機材費がかさむパートでもあります。

ギターに向いている人は、次のような人です。

  • 作曲、編曲ができるクリエイティブな人
  • 楽器で目立ちたい人
  • 堂々と自己表現できる人
  • ギターを弾きながら歌うことができる人
  • 楽器にお金をかけられる人

1-3.ベース

ベースは低音を演奏する楽器です。ドラムと同様にリズムパートを担い、正確なリズムをキープするスキル、独創的なベースラインで楽曲の世界観を広げるアレンジ力、表現力が求められます。ベースは目立ちにくいパートですが、グルーブ感を表現し、曲に厚みと立体感をもたらす重要な役割を担うパートです。

ベースに向いている人の特徴は次の通りです。

  • リズム感がある人
  • 冷静で自制心のある人
  • 縁の下の力持ちタイプ

1-4.ドラム

ドラムは、曲のテンポを決める必要不可欠なパートです。ドラムのリズムが崩れるとすべてのパートが成り立たなくなるので、まさに大黒柱的存在です。正確なリズムキープ力や持久力に加えて、さまざまな曲に対応するためのリズム感やアレンジ力が求められます。また他のパートに常に気を配り、影のリーダーとして曲の方向性を示す力も必要です。

ドラムに向いている人として、次のような特徴が挙げられます。

  • リズム感がある人
  • 器用な人
  • 体力がある人
  • 周りに気を配れる人

1-5.キーボード

キーボードは、ピアノの美しい音色から、シンセサイザーのような壮大な音まで多数の音色が出せるので、広がりのある演奏を得意としています。キーボード担当は、ピアノ経験者が大半です。

しかし、キーボードは他のパートとは違い必要不可欠なパートではなく、現にロックバンドにキーボードが入っていることは稀です。キーボードはサウンドを華やかにする要素ではありますが、メンバーとして必要なのかどうか、バンドと曲のイメージから吟味する必要があります。

キーボードに向いているのは、次のような人です。

  • バンド全体の調和を重視する人
  • アレンジやアドリブ入れる柔軟性がある人
  • 元々ピアノをやっていた人

2.楽器以外のバンドの役割

バンド活動は、楽器のパート以外にも役割があります。向いている人で役割分担をすると、スムーズなバンド活動ができるでしょう。

楽器以外のバンドの役割は、以下の4つです。バンドは場面ごとの役割を決めておくと活動しやすくなります。

・リーダー

一般的なバンド運営には、バンドリーダーが存在します。リーダーはバンドマスター的役割です。リーダーに向いている人は、「リーダーシップ」と「責任感」を持っている人です。バンド内のありとあらゆる決定を下す重要な役割ですが、独りよがりにならずに周りの意見をしっかり聞くことで信頼性が向上します。また、誰かの意見を否定する場合は、しっかり理論立てて受け入れられない理由を説明する必要があります。

リーダーはバンドを統括する役割をもつため仕事が多く、判断・結論も求められますが、すべての場面においてリーダーが行う必要はなく、またバンドメンバーはリーダーの負担も考慮し、任せきりにしないことが大切です。

・コミュニケーション(MC)

コミュニケーション担当は、MCをはじめ、ライブハウスのスタッフやブッキングスタッフ、さらにはライブイベントで共演したバンドと円滑にコミュニケーションを図るという役割があります。お客さんに好印象を与える話し方や、佇まいや振る舞いができる、カリスマ性のある人が理想的です。メンバー内で一番コミュニケーション能力の高い人がこの役割を担うと、ライブ集客をはじめ音楽活動をスムーズに進めていくことができます。

・知識

音楽的な知識は、ある程度バンドメンバー全員が持っておく必要がありますが、その中でも特に音楽的な知識を持っている人がいると、バンドとして、またライブ力も大きく成長できます。ライブ活動を行う上で音楽的知識を持つ人は、他のバンドや音楽スタッフからも重宝される存在です。専門的な知識があると人脈が広がったり、バンドにアドバイスをくれる人と出会える可能性があります。

・衣装

ライブをする上で、見た目を整えて出演することは大切です。センスのある人、服飾に詳しいメンバーがいると安心です。ライブ衣装を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 曲に合った衣装を選ぶ
  • バンドカラーなどテーマを決めてお揃いにする
  • メンバーの個性を出す

3.2〜5人のバンドの構成例と役割

バンドを構成する人数はバンドによって異なります。そして、バンドの構成によって必要な役割や担当は変わります。

バンドの構成人数は、以下の人数が一般的です。ここでは、バンドの構成人数の違いによる特徴を解説します。

・2ピースバンド

2ピースバンドとは、2人編成のバンドのことです。2ピースバンドには、以下のような構成があります。

  • ボーカル兼ギター2人
  • ボーカル・ギター兼ボーカル
  • ボーカル・その他楽器(ギター、ベース、キーボード)

2ピースバンドでは、一人はボーカルを担当し、もう一人は楽器とボーカルを兼任(ギターボーカル)、もしくは楽器に専念する形になります。

2ピースバンドのメリットは、バンド内の意思決定が早く路上ライブは省スペースで演奏可能な点です。一方で、楽器が少なく表現の幅が限られる点がデメリットとなります。

・3ピースバンド

3ピースバンドとは3人編成のバンドのことで、ライブハウスでもよく見かけるバンド編成です。3ピースバンドには、以下のような構成があります。いずれの場合もボーカルは楽器を兼任します。

  • ボーカル兼ギター・ベース・ドラム
  • ボーカル兼ベース・ギター・ドラム
  • ボーカル兼ギター・ボーカル兼ベース・ドラム

3ピースバンドは、幅広い音楽を演奏可能な点、メンバーの個性を発揮しやすい点がメリットです。デメリットは、ミスが目立ちやすいため高い演奏技術が必要なことです。

・4ピースバンド

4ピースバンドとは、4人編成のバンドのことです。一般的なバンド編成で、売れっ子バンドの多くが4ピース構成になっています。それぞれのパートに集中して演奏できるので、初めてバンドを組む人におすすめのバンド構成です。3ピースバンドと楽器構成は変わりませんが、ボーカルが専任で存在するのが一般的です。

4ピースバンドには、以下のような構成があります。

  • ボーカル・ギター・ベース・ドラム
  • ボーカル兼ギター・ギター・ベース・ドラム

4ピースバンドのメリットは、各々自分のパートの楽器に専念できることです。一方で、練習のスケジュール調整が難しく、バンド内の意思決定が煩雑というデメリットもあります。

・5ピースバンド

5ピースバンドとは、5人編成のバンドのことです。基本的に4人で完結できるところにあえて5人目を追加しているので、演奏のバリエーションを一気に広げることができます。

5ピースバンドには、以下のような構成があります。

  • ボーカル・ギター・ギター・ベース・ドラム
  • ボーカル・ギター・ベース・キーボード・ドラム
  • ボーカル兼ギター・キーボード・ベース・ドラムス

5人で編成されたバンドは、楽器が揃うためボーカルは歌に集中できることがメリットです。ジャンルやアレンジの幅が広がる点も5ピースバンドの魅力と言えます。ただ、人数が多くなる分音楽の方向性が合わなくなる可能性があります。

まとめ

バンドの基本的な構成は、ボーカル・ギター・ベース・ドラム・キーボードの5つです。それぞれ役割が異なり、求められるスキルにも違いがあります。

ボーカルはリーダーというバンドの中心的存在を担うことが多く、メンバーをまとめる力が必要です。他にも、コミュニケーション担当や音楽に関する知識担当などを決めておくと、スムーズな活動につながります。

バンドは2~5人で構成され、4人で構成された4ピースバンドが一般的です。4ピースバンドは演奏に必要な楽器が揃うので、演奏のバリエーションが一気に広がります。

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