アーティストの公演では、「コンサート」「ライブ」のどちらかが使われることが多いです。何気なくコンサート・ライブを使っているものの、厳密な使い分けが分からず疑問に感じたことのある方もいるでしょう。
当記事では、「コンサート」と「ライブ」の違いと使い分けられ方の特徴、またコンサートトライブの会場の種類と特徴を解説します。何気なくコンサートとライブの違いが気になった方は、ぜひこの機会に疑問を解消してください。
1.コンサートとライブはどう違う?
コンサートとライブは、両方とも「音楽を楽しむためのイベント」を指します。言葉としての違いは、下記の通りです。
コンサート | 一定の曲目やプログラムに基づいた演奏会や音楽会を意味します。演奏は生だけでなく、フィルムコンサートやビデオコンサートのように録画や録音で音楽を楽しむイベントもコンサートに含まれます。音楽鑑賞を目的としたイベントのため、観客は声を出さずに聴くスタイルが中心です。 |
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ライブ | 「ライブコンサート(生演奏)」を省略した言葉で、正式名称ではありません。音楽を聴くだけでなく、パフォーマンスを楽しむイベントでもあります。演者と観客が一体となって、イベントを盛り上げるのが特徴です。観客はアーティストと一緒に歌ったり踊ったりする空間を楽しむ傾向があります。 |
2.コンサートとライブの使い分けられ方
コンサートとライブは明確な定義がないため、どちらを使っても構いません。同じ会場でもアーティストによって「ライブ」を使ったり、「コンサート」を使ったりします。明確な基準はないものの、イメージや好みによる使い分けがあります。
以下では、それぞれの使い分けられ方を解説します。
2-1.アーティストの好み
コンサートとライブの違いは厳密に決まっていません。しかし、一般的にコンサートは音楽に集中し、ライブイベントはパフォーマンスを一緒に楽しむイメージがあります。
たとえば、ジャニーズやMr.Childrenの公演はコンサートと表現される場合がほとんどです。どちらも静かに曲を聴く場面もあれば、一緒に歌う機会もあります。
一方で、ONE OK ROCKやKing Gnuなどの比較的激しい音楽の公演はライブと表現される傾向にあります。コンサートとライブはアーティストのイメージや好みによって使い分けられていると言えるでしょう。
2-2.音楽のジャンル
音楽のジャンルによって、コンサートとライブが使い分けられるケースもあります。
演奏の表現や技術を重視し、静かな雰囲気の中で楽しむクラシック音楽には「コンサート」が使われることが多いです。ロックやポップスのイベントは、観客とのコミュニケーションやエンターテインメント性を重視する「ライブ」を使用するのが主流となっています。
最近は音楽ジャンルを超えたジョイントコンサートも増えてきたため、必ずしもジャンルによる区別とは限りません。
2-3.言語の違い
英語圏で「コンサート(concert)」と言えば、音楽イベント全般を指します。日本語の「ライブ(live)」に音楽イベントの意味はありません。
クラシックやジャズも、ロックやポップスもまとめて「コンサート」です。音楽イベントを「コンサート」と「ライブ」で使い分けるのは、日本語ならではの表現となります。海外では、「ライブに行く」と言っても通じないので注意しましょう。
2-4.参加スタイル
コンサートとライブは、観客の参加スタイルによっても使い分けられます。椅子に座って聴くピアノ演奏やオーケストラのようなフォーマルな音楽イベントでは「コンサート」が使われる機会が多くあります。
ロックやポップスのように立って聴く傾向にあるカジュアルなイベントでは、「ライブ」を使用するのが一般的です。ただし、コンサートでも観客が立ち上がって声援を送るシーンもあるため、厳密な使い分けはありません。
3.コンサートとライブの会場の種類と特徴
コンサートやライブのイベント会場には、さまざまな種類があります。収容人数や設備に違いがあっても客席のスタイルは同じで、「指定席」と「スタンディング」の2種類です。
指定席は、指定された席でゆっくりとアーティストのパフォーマンスを楽しめます。スタンディングは席が決まっておらず、好きな位置で立って鑑賞するスタイルです。体力的な負担があるものの、リズムに合わせて自由に動けるメリットがあります。
以下では、コンサートやライブで使用される音楽会場の種類と、特徴について紹介します。音楽イベントに参加する際の参考にしましょう。
3-1.ライブハウス
ライブハウスは、バンドやミュージシャンが音楽演奏する場所としては小規模な会場です。収容人数は100人〜1,000人程度とライブハウスによって幅広いです。
ライブハウスでは観客とアーティストの距離が近く、アットホームな雰囲気が楽しめます。さまざまなジャンルの音楽を手軽に楽しめ、アーティストとファンとの交流ができるメリットもあります。出演者の表情や演出の細部がよく見え、熱気に包まれたライブ会場の臨場感が味わえるのも魅力です。
3-2.ホール
ホールは1,000人〜5,000人程度を収容する、大規模な会場です。たとえば、東京国際フォーラムの「ホールA」は5,012席もの座席があります。
本格的な設備や音響システムを備え、観客全員が舞台を見渡せるように設計されているのがコンサートホールの特徴です。整った環境でアーティストの演奏が聴けるメリットもあります。楽器の演奏を見越して作られているため音の響きがよく、アーティストの演奏をしっかり楽しめるのもホールならではの魅力です。
3-3.アリーナ
アリーナは、スポーツの試合もできる大規模な会場です。キャパシティは5,000人〜15,000人を超える場所もあります。たとえば、横浜アリーナでは10,000人〜15,000人程度収容可能です。
アリーナはフロアが広く、客席がステージを囲むように配置されている特徴があります。大型ステージに対応する音響や照明設備を備えているため、イベントの臨場感や迫力を味わえるのが魅力です。大規模な公演でも、アーティストや会場の熱気を感じられます。
3-4.ドーム
ドームは、野球やサッカーの試合などが開催されるスタジアムです。東京ドームでは最大55,000人、福岡PayPayドームで40,062人と場所によってキャパシティが異なります。
グラウンド面積が広く、客席が場内を一周しているのが特徴です。ステージを中心に客席が広がっているため、全方向からアーティストを鑑賞できます。ドームは屋根があり、天候に左右されずにイベントを開催できるのもメリットです。
4.コンサートとライブ以外の音楽イベントの呼び方
コンサートやライブ以外にも、音楽を楽しむためのイベントが存在します。それぞれのイベントには呼び名があり、楽しみ方や雰囲気によって使い方に違いがあります。
ここでは、「ギグ」「リサイタル」「フェス」の特徴をまとめました。
ギグ |
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「ギグ」とは、ライブハウスやクラブなどの小規模な音楽イベントを指す傾向にあります。昔はジャズ演奏家が、ライブ演奏会場ごとに1回ずつ契約する意味のスラングとして使用していました。そのため、現在も「一度きりのセッション」という意味を込めて「ギグ」と使う場合があります。 |
リサイタル |
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「リサイタル」とは1人の音楽家による独奏会や独唱会を意味します。クラシック音楽やジャズに多く、アーティスト自身のスタイルや特色を生かして歌唱や演奏を披露するのが特徴です。歌手と一緒にステージにいる楽器演奏者は人数としてカウントされません。ステージに複数人の楽器演奏者がいても、「リサイタル」となります。 |
フェス |
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「フェス」とは、さまざまなジャンルのライブパフォーマンスを同時に楽しめる音楽イベントのことです。野外で開催されることが多く、数十人〜数百人のアーティストが出演します。音楽フェスは飲食ブースやショップが充実していたり、ファン同士が交流したりする場でもあります。 |
まとめ
コンサートとライブに明確な違いはなく、どちらも音楽を楽しむためのイベントを意味する言葉です。ただし、アーティストの好みや音楽ジャンルにおけるイメージ、参加スタイルの違いなどによって、どちらかに決められる傾向にあります。コンサートやライブ以外にもギグやリサイタル、フェスといった音楽のイベントを表現する言葉が使われています。
コンサートとライブの会場にはさまざまな種類があり、アーティストの人気具合や呼び込めそうな人数によって会場を決めます。好きなアーティストが公演でコンサートとライブどちらを使用しているのか、気になる方はぜひ一度確認してみてくださいね!