新世紀エヴァンゲリオンシリーズは1995年10月にアニメの放送が開始し、形を変えて映画となり2021年まで作品が作られたアニメシリーズです。人造人間エヴァンゲリオンが登場するSFかつロボットアニメですが、キャラクターたちの抱える苦悩を深く描いたことで他のロボットアニメと一線を画しました。
当記事では、新世紀エヴァンゲリオンシリーズの歴代主題歌を各作品の内容とともに紹介します。新世紀エヴァンゲリオンの楽曲を思い出したい方は、ぜひご覧ください。
1.テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の歴代主題歌
『新世紀エヴァンゲリオン』
— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) July 1, 2019
全 はじめての
2 エヴァ
6
話、完走🎉
\おめでとう👏/ \おめでとう👏/
\\\おめでとう👏///#ネトフリアニメ #エヴァpic.twitter.com/92lmGE71jo
テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は、庵野 秀明監督による全26話のSFロボットアニメです。1995年10月~1996年3月にかけて放送され、画期的な演出方法や張り巡らされた伏線などが多くの話題となりました。
作品の舞台は、大災害「セカンドインパクト」によって人口が激減した2015年の第3新東京市です。襲来した特殊能力を持つ謎の生命体「使徒」に対抗する手段として、ヒト型の決戦兵器「人造人間エヴァンゲリオン」が製造されました。
主人公の碇 シンジは、エヴァンゲリオンの操縦者の1人に突如抜擢され、戦うことを命じられます。操縦者である14歳の少年少女は、重圧や自らの過去、疑心によって苦悩し、次第に極限状態に追い込まれていきます。
キャラクターの細かい心理描写やセカンドインパクトに隠された真実、使徒の正体など、多くの謎を秘めたストーリーに引き込まれる作品です。
以下では、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に使用された主題歌を紹介します。
1-1.OP曲:残酷な天使のテーゼ/高橋 洋子
OP曲に使用された楽曲は、高橋 洋子さんの「残酷な天使のテーゼ」です。シリーズを代表する主題歌であり、現在でもカラオケのアニメソングランキングで上位に入る不朽の名作として、世代を超え多くの方に愛されています。
母親の立場から少年少女に向けた心情を表した歌詞を、高橋 洋子さんが優しく力強い歌声で歌い上げています。新世紀エヴァンゲリオンの世界観とシンクロしたような、神秘的で壮大な雰囲気の楽曲です。
1-2.ED曲:FLY ME TO THE MOON/CLAIRE
テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のEDには、「FLY ME TO THE MOON」のカバー曲が使われています。1954年にバート・ハワードさんによって作られた楽曲で、1964年にフランク・シナトラさんがカバーしたことで有名になりました。
放送時のEDでは、メインとなるイギリスの歌手CLAIRE(クレア・リトリー)さんが歌う曲に加え、曲調や歌手の異なる複数のバージョンが流されました。OP曲を歌う高橋 洋子さんや、キャラクターの担当声優が歌うバージョンも制作されています。
2.旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」の歴代主題歌
高橋洋子さんが歌う「心よ原始に戻れ」は『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』主題歌の「魂のルフラン」シングルCDのB面カップリング曲。このサイズの横長ジャケットが懐かしい。発売日は1997年2月21日。無料アプリ「EVA-EXTRA」にて期間限定でお楽しみ頂けます #新世紀エヴァンゲリオン pic.twitter.com/8o2sE0VcJ2
— エヴァンゲリオン公式 (@evangelion_co) September 25, 2019
旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」は、テレビアニメ版の25話と最終話の26話を補完するために制作されました。
テレビアニメ版のラスト2話は、放送時に制作が間に合わず、数々の謎が明かされないまま完結しています。主人公の精神世界を描き、伏線を回収せずに迎えた結末は、視聴者の賛否が分かれる衝撃的な内容でした。
そのため、テレビアニメの完結版となる、25話と26話を作り直した旧劇場版の制作が決定しました。なお旧劇場版とは、2007年以降に公開した新劇場版と区別するための通称です。
以下では、旧劇場版と呼ばれる3つの作品の特徴と、使用された楽曲を紹介します。
2-1.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」は、1997年3月に公開された作品です。テレビアニメの1~24話を一部再構成した総集編「DEATH編」と、25話の前半となる「REBIRTH編」の2部構成で描かれています。
主題歌は高橋 洋子さんが歌う「魂のルフラン」です。エヴァンゲリオンの楽曲の中でも、絶大な人気を誇る名曲です。
歌い出しは、ゆったりとしたリズムの中で透き通った声が響きます。幻想的な雰囲気を感じさせる力強い歌声と、母性を表現する印象的な歌詞が特徴です。ルフランは、フランス語で「繰り返し」を意味する言葉であり、「輪廻転生」をイメージした曲となっています。
2-2.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」は、1997年7月に公開されました。前半の「REBIRTH編」と後半を合わせた25話「Air」、新たに制作した26話「まごころを、君に」で構成されています。
主題歌である「THANATOS -IF I CAN’T BE YOURS-」は、「Air」のEDで流されました。
作曲家は、数々の有名楽曲を手掛けた鷺巣 詩郎さんです。英語の歌詞でつづられた男女の別れを、LOREN&MASHさんが繊細に歌い上げています。切ない歌声が聴く人の感情を揺さぶる、印象的な楽曲です。
2-3.新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に
1998年3月に公開された「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」は、旧劇場版の2作を組み合わせた集大成とも言える作品です。
「DEATH編」を再構成した総集編と「Air」「まごころを、君に」を合わせた内容であり、楽曲は旧劇場版の2作と同様です。高橋 洋子さんの「魂のルフラン」と、LOREN&MASHさんの「THANATOS -IF I CAN’T BE YOURS-」を使用しています。
そのため「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」では、テレビアニメから旧劇場版へと続くシリーズの集大成として、両方の楽曲を堪能できます。神秘的かつ情感あふれる楽曲で、シリーズの世界観を存分に味わえるでしょう。
3.新劇場版「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の歴代主題歌
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は新劇場版と呼ばれており、新世紀エヴァンゲリオンをリビルドした作品です。
新劇場版シリーズは、エヴァンゲリオンの世界観はそのままに、今までの作品とは全く異なる新しい結末を迎えます。ストーリーはもちろん、登場キャラクターの設定や性格、エヴァンゲリオンや使途のデザインも変化していることが特徴です。
デジタル技術を駆使した大迫力の映像で、新しいエヴァンゲリオンの世界が楽しめます。
以下では、新劇場版主題歌に起用された楽曲を紹介します。
3-1.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
新劇場版の第1作目となる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」は、2007年9月に公開されました。テレビアニメの6話までをもとに制作されており、エフェクトや3DCGを用いて作り直した迫力ある映像となっています。
細かな設定などは変更されているものの、今までの作品とストーリーに大きな変化はありません。新劇場版から見た方が、エヴァンゲリオンシリーズの世界観や設定を理解できる作りになっています。
主題歌は、宇多田 ヒカルさんが歌う「Beautiful World」です。宇多田 ヒカルさんがエヴァンゲリオンのファンだったことから、オファーを受けて制作されました。
他者に願いを叶えてほしいと求める繊細さが漂う歌詞は、作品を深く理解している宇多田 ヒカルさんだから作れる楽曲と言えるでしょう。
3-2.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
第2作である「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」は、2009年6月に公開されました。基本的には、テレビアニメシリーズの7話以降をもとにストーリーが進みますが、徐々にテレビアニメや旧劇場版とは異なる展開が描かれます。エヴァンゲリオンの操縦者となる新しいキャラクターや、終盤における主人公の変化には注目です。
主題歌は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」と同じ、宇多田 ヒカルさんの「Beautiful World」です。同じ楽曲ですが、本作ではアコースティックバージョンを使用しているため、より切ない雰囲気を感じさせます。
3-3.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
新劇場版の第3作目、2012年11月に公開された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」では、前作から14年後の世界を描いています。前作までは、アニメなどのストーリーをもとに描かれた部分も多くありましたが、本作からは全く新しい方向にストーリーが突き進んでいきます。
主題歌に使われた楽曲は、宇多田 ヒカルさんの「桜流し」です。当時、宇多田 ヒカルさんは活動休止期間だったものの、映画制作スタッフからの熱烈なオファーを受けて楽曲制作を決断したと言われています。
主題歌の情報は伏せられており、作品の公開日当日に明かされたため、大変話題になりました。キャラクターたちの心情を表すかのような、切ないバラードの名曲です。
3-4.シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇
全4部作となる新劇場版最終作「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」は、2021年3月に公開されました。タイトルに使用されている「𝄇」は音楽記号の1つで、反復記号と呼ばれます。反復を終了する部分に配置する記号です。
主題歌は「One Last Kiss」で、本作も引き続き宇多田 ヒカルさんが手掛けています。軽快なリズムで、愛する方との悲しい別れをしっとりと歌い上げています。切ない愛情を感じさせる、耳に残る楽曲です。
まとめ
新世紀エヴァンゲリオンは、庵野監督によって作られたSF・ロボットアニメです。アニメは1995年10月から1996年3月まで放送され、その後映画となり2021年まで作品が作られました。90年代を代表するアニメで、作品が終わった現在でも根強い人気があります。
新世紀エヴァンゲリオンの楽曲には未だカラオケランキングの上位に入り込むほど人気の、「残酷な天使のテーゼ」や「魂のルフラン」などがあります。どの楽曲も作品の雰囲気やキャラクターたちの心情がしっかりと表現されているのが特徴です。作品は見たものの楽曲は見ていなかったという方は、ぜひこの機会に楽曲のメロディーや歌詞・映像にも注目してみてください。
※当記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています