ダイブは人の頭上に上がり他の観客に客席前方、ステージ前まで運んでもらう、野外フェスやロック・パンク系のライブに行く人にはよく知られている行為です。何度かライブに参加する中でダイブを見た人の中には、自分もしてみたいという人もいるでしょう。
当記事では、ライブでのダイブの種類ややり方、マナーについて解説します。ダイブをしてみたい、ライブで驚かないよう事前にダイブについて知りたいという人は、ぜひお役立てください。
1.ライブでのダイブとは?
ダイブとは、音楽フェスやライブで興奮した人が、他の人の頭上を転がり通過したり、ライブ会場にいる人をめがけてジャンプしたりする行為のことです。
ダイブをする人のことを「ダイバー」と呼び、ダイバーは下で支えてくれる他の観客の手で支えられ客席の前方まで運ばれ、セキュリティスタッフに降ろしてもらいます。
ダイブをするには人が密集している必要があるため、ダイブは一般的に人が多く集まる客席の前方で行われます。演奏するアーティスト自身がステージ上から客席をめがけて飛び込む行為も「ダイブ」です。
ダイブは大変な危険行為で怪我や事件が起こるリスクがあり、有事の際は自己責任です。そのため、SUMMER SONICやFUJIROCK FESTIVALなど、大半のライブやフェスでダイブは禁止行為となっています。
1-1.ライブでのダイブとモッシュの違い
ライブ用語としてよく使われる、「ダイブ」と「モッシュ」の違いを解説します。
ダイブ | ライブで興奮した観客やアーティストが観客をめがけて飛び込み、観客の頭上を通過していく行為。 |
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モッシュ | ライブ中に盛り上がった観客同士が、同じ行動を集団で行う行為。体をぶつけ合うモッシュや飛び跳ねるモッシュ、踊るモッシュなど、音楽ジャンルによって異なる。メタルやパンク、ハードコア、ロックバンドのライブで見られる。 |
モッシュが激しくなると、強く押されたり突き飛ばされたりして、転倒する場面があります。他の人に踏みつけられ、大勢の中で自力で立ち上がることが難しい危険な行為です。モッシュをしている観客の中で転倒している人がいる場合は、起き上がれるよう速やかに手を貸しましょう。
2.ライブでのダイブの種類
ライブでのダイブには、さまざまな種類があります。客席から他の観客の頭上を転がり前方に押しやってもらう「コロダイ」や、その他、逆ダイや背ダイ、柵ダイ、ヘッドウォーク、クラウドウォークなど種類は豊富です。
ダイブの中でも代表的なのが、「ステージダイブ」と「クラウドサーフ」、「リフト」です。以下では、それぞれのダイブについて解説します。
2-1.ステージダイブ
ステージダイブは、アーティストや観客が、ステージ上から客席に向かって飛び込むダイブのことです。観客が飛び込む場合は、1度ステージに上がってから飛び込むのが一般的です。野外フェスではステージから客席まで遠い場合があるので、ステージダイブをする際は十分に注意する必要があります。
ステージダイブは、激しめのロックやパンク・メロコアなど小規模のライブハウスで行われる傾向にあるダイブです。ステージに近い客席の前方でライブを観る際には、ステージダイブの可能性があるため怪我をしないよう注意しましょう。
2-2.クラウドサーフ
クラウドサーフは、観客が他の観客の頭上に乗り、ステージへ向かって運ばれていくダイブです。体格のよい人の肩に手をかけて飛び上がったり肩車をしてもらったりして、観客の頭上に飛び上がります。
クラウドサーフは、観客の頭上を転がらず、下の人に運んでもらうダイブです。支える人の負担が大きいため、男性の多い激しいロックやパンク系の小規模ライブでよく見られます。
2-3.リフト
リフトとは、肩車のことを指します。サビなどの曲の盛り上がりにめがけて、一斉にリフトするのが一般的な流れです。リフトの後は、クラウドサーフに移行していきます。
集団でのリフトは壮観ではあるものの、後ろでライブを観ている人からアーティストが見えなくなるという弊害が生まれます。リフトが許されているバンドなのか、事前に確認するのがおすすめです。
3.ライブでのダイブのやり方
ダイブには危険性があり、怪我が発生した際は当人と主催者側、ライブ会場の経営者、出演者であるアーティスト側も責任が問われます。
そのため、ライブでダイブを行う際はライブに来る目的は人それぞれ違うことを念頭に置き、やり方や場所、周りの人に配慮した節度ある行動を心がけましょう。
ダイブは客席の中央より前方、人が密集するエリアで起こることが大半です。ライブやフェス初心者やゆっくりライブを楽しみたい人は、ダイブが起こりにくい客席の端や後方などの安全地帯で鑑賞しましょう。
以下では、ダイブの方法とダイブをする人を支える方法について解説します。
3-1.ダイブをするとき
ダイブが可能なライブでは大半、クラウドサーフが行われます。クラウドサーフをするに当たって、他の観客の頭上への上がり方は主に2パターンです。
以下では、クラウドサーフのやり方について解説します。
パターン1:両端にいる人の肩を借りる |
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両端にいる人の肩を持ち、腕の力で上に上がると同時に腰や足を上げる。両端にいる人に腰から上げてもらったら、周りの人に前まで流してもらう。 |
パターン2:肩車してもらう |
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客席で前にいる人に肩車をしてもらい、前方に倒してもらい上に乗せてもらう。パターン1に比べて肩車をする人にかかる負担が大きいため、行う場合は体格がよい男性にお願いするのがおすすめ。 |
いずれの方法もいきなり始めるのではなく、協力してもらう人にあらかじめジェスチャーや言葉で了承を取ってからするのがマナーです。
観客の頭上に上がったら、余計な力は入れずに仰向けで体を大の字に広げて、周囲の多くの人に支えてもらう必要があります。手足をバタバタさせず素早く寝返りをすると、スムーズに前方まで押しやってもらえます。
ステージ前まで行ったらセキュリティスタッフに受け取ってもらい、再度客席の後方に周って、ライブの続きを鑑賞しましょう。
3-2.ダイブする人を支えるとき
ライブを鑑賞している最中に後方からダイバーが流れてきたら、前に流すように押しやります。下で支えるときの注意点は、周りの人との隙間を開けないことです。隙間があると、ダイバーが落ちてしまうことがあります。万が一落ちそうな場合は、頭を支えてあげましょう。
ダイバーを支えるのが初めての場合は、頭上に人が転がって来ることを怖いと感じるかもしれません。しかし、ダイバーを避ける行為は落下などの事故につながるため非常に危険です。会場の真ん中よりも前方はダイブが起こりやすい場所なので、ダイブに対する恐怖がある場合は、会場の後方などダイブの危険がないところでの鑑賞がおすすめです。
4.ライブでのダイブのマナー
ダイブは下で支えてくれる人の協力で成り立っているため、周りの人への配慮と感謝を忘れないことが大切です。ダイブはマナーを守って行いましょう。マナーを守ることは、怪我や事故から自身を守るためでもあります。
ダイブをする際に守るべきマナーについて、下記で解説します。
・足をバタつかせない
上に乗せてもらった際には、絶対に手足をバタバタさせないようにしましょう。下にいる人が怪我をするリスクはもちろん、約2mの高さから転落するという可能性もあります。上では仰向けになり身を委ねるように力を抜いてください。
・危険な恰好でしない
ダイブをする際には、下で支えてくれる人に怪我をさせないよう服装に気をつける必要があります。金具など硬い装飾のついた服装や、ヒールや硬い靴底の靴は脱いで、アクセサリー類は必ず外しましょう。カラナビやキーケースも硬く尖っていることがあるので、持ち物にも注意してください。
・禁止されているライブで行わない
ダイブは海外で死傷者が出たことのある危険な行為です。ダイブが禁止されているライブでは、絶対にダイブしないようにしましょう。ダイブ行為を一切禁止している大型フェスでは、1度でもダイブをしたら即座に退場になることもあります。
ライブハウスでは注意事項に「ダイブ禁止」と明記されていたり、場内アナウンスでお知らせがあったりします。参加するライブやフェスではダイブができるか、事前に確認しましょう。
まとめ
ダイブとは、音楽フェスやライブで他の観客の頭上に乗る行為です。ダイブをする人はダイバーと呼ばれ、観客の頭上に乗った後に客席前方まで運んでもらい、セキュリティスタッフに降ろしてもらいます。ダイブは危険行為であるため、多くの大型フェスでは禁止行為となっています。
ダイブをする場合は、他の観客に協力してもらい頭上に上ります。支える人が怪我をしないよう、足をバタバタさせず仰向けで支える人に身を委ねてください。禁止行為としているライブではダイブをしたら即座に退場になる場合もあるため、事前にダイブができるライブか確認しましょう。