音声合成ソフトであるVOCALOIDを使用した楽曲は年々に需要が高まっており、今や日本文化の1つです。現在知名度がなくても楽曲を動画配信サービスに投稿し続けることで人の目に止まり、突然人気ボカロPになるということも少なくありません。同じVOCALOID出会ってもつくる方によってジャンルやスタイルは大きく異なり、さまざまな楽曲に触れられるのがボカロ曲の魅力です。
当記事では、2023年に人気を博しているボカロ曲を10曲紹介します。楽曲はもちろん、ボカロPにもぜひ注目してくださいね!
1.【2023年最新版】ボカロ人気曲を10曲紹介!
#クリプトン は、クリエイターの皆様からの変わらぬご支持への感謝を込め、2021年6月1日付けで、アマチュアクリエイターによる『#初音ミク』たちピアプロキャラクターズを使用したYouTube投稿動画の収益化を解禁いたしました!
— 初音ミク 公式 (@cfm_miku) June 1, 2021
詳細はニュースリリースよりご確認ください😉https://t.co/pHejVCEJJ0 pic.twitter.com/uzPOPLCIIn
ボカロとは、ヤマハ製の「VOCALOID」などの音声合成ソフトウェアのことです。ボカロで作られた楽曲は、ボーカロイド曲やボカロ曲などと表現されます。ボカロ曲の制作者はプロデューサーやボカロPと呼ばれ、ネット発アーティストとして注目を集めています。シンガーソングライターの米津 玄師さんも、かつて「ハチ」という名でボカロをプロデュースしていました。
歌声データベースを合わせてバーチャルシンガーに歌わせたり、本人が歌ったりするのが一般的です。新曲は主に、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトや音楽配信サイトで楽曲を発表されています。
ここからは、2023年のボカロ人気楽曲を紹介します。
1-1.酔いどれ知らず/Kanaria
カラオケランキング上位に入る人気曲となっているのが、「酔いどれ知らず」です。ボカロ楽曲の中ではスローテンポな楽曲で、耳に残るビートが特徴です。
歌っているのはVOCALOIDのGUMIです。日本語の歌詞を英語ライブラリGUMI Engilishに歌わせているため、舌足らずで呂律がまわっていないように聞こえるのが魅力の1つとなっています。
Kanariaさんの楽曲は七つの大罪がモチーフになっており、「酔いどれ知らず」はファンの間で「強欲」や「怠惰」がモチーフではないかと考察されています。
1-2.神っぽいな/ピノキオピー
VOCALOIDの初音ミクを使用した「神っぽいな」は、現代人への皮肉をリズミカルなサウンドに乗せた耳に残る楽曲です。鐘の音が響く重々しいイントロから、辛口で不思議な歌詞が弾丸のように飛び出します。
しばしば人気ボカロ曲が「神曲」と表現されるように、気軽に人や物事を「神」と表現するネット文化を皮肉っています。最新の文化や言葉が取り入れられたボカロらしい1曲です。1番と2番で曲調が異なる部分があり歌いこなす楽しみがあるため、カラオケでも人気の楽曲です。2022年のJOY SOUNDカラオケ総合ランキングの21位に入っています。
1-3.グッバイ宣言/Chinozo
ドラマティックで疾走感のあるロックサウンドで、背中を押してくれるのが「グッバイ宣言」です。人間に近いトーンで歌うボーカロイド・flowerの声と相まって、高揚感のある楽曲に仕上がっています。特にサビに入る際の盛り上がりは必聴です。
タイトル通り何かと決別するように受け取れる歌詞も共感を集め、YouTubeでの再生数はボカロ史上初の1億回を突破しました。これからボカロを聞き始めようとしている方にもおすすめの大人気楽曲です。
1-4.フォニィ/ツミキ
複雑な言葉選びで成立する儚げな歌詞と、息継ぎや声質から人間味を感じさせるVOCALOID・可不の歌唱力が組み合わった楽曲が「フォニィ」です。楽曲には独特な世界観があり、動画公開から1か月足らずで100万回再生を突破しました。
印象的な転調やピアノの効果的な入れ込みなど、音楽性の高さも評価されています。自分を偽って生きていく、虚無感を抱かせる歌詞に共感する方も少なくありません。和楽器バンドによるカバーも話題になりました。
1-5.KING/Kanaria
配信スタートするやいなや、人気歌い手やVTuberが続々と楽曲のカバーを開始したのが「KING」です。カバーをきっかけに原曲を知り、ファンになった方も少なくありません。アップテンポでリズムが掴みやすいため、カラオケにぴったりです。耳にスッと入ってくる韻を踏んだ歌詞も人気の要因の1つです。
VOCALOIDはGUMIを使用しています。「KING」はKanariaさんのデビュー2作目であり、人気Pに押し上げるきっかけとなった楽曲です。
1-6.ヴァンパイア/DECO*27
「ヴァンパイア」は2021年3月にYouTubeに投稿され、6,400万回再生を突破している人気曲です。アップテンポでノリが良く、中毒性があると話題になりました。合いの手やクラップを挟む部分もあるため、カラオケでも盛り上がる1曲です。ボーカロイドは初音ミクを使用しています。
小悪魔的な可愛らしさの中に、現代社会を風刺するような雰囲気も感じられる奥深い歌詞も魅力です。解釈が分かれる余白を残した歌詞に、ファンの考察も盛り上がっています。
1-7.ラヴィ/すりぃ
スマホゲームに登場する新ヒーローのテーマソングとして発表されたのが、「ラヴィ」です。使用されているVOCALOIDは、男性でありながら中性的な雰囲気も持つ鏡音レンです。鏡音レンの声は、相手を小馬鹿にしつつも打たれ弱さも見せるゲーム内のキャラクターの雰囲気とマッチしています。
小悪魔で可愛らしい雰囲気を終始感じさせつつも、中盤にはラップ調のパートもあり、何度聴いても飽きない楽曲に仕上がっています。
1-8.ロウワー/ぬゆり
VOCALOIDにflowerを使用している「ロウワー」は、ストーリー性の高いMVと歌詞で話題の楽曲です。キリストの最後の晩餐や太宰治の作品など、モチーフにしている作品に関する考察も盛り上がっています。
癖になるノリの良いビートとかっこいいメロディが魅力で、カラオケランキングにも入る人気曲です。
1-9.少女レイ/みきとP
楽曲の爽やかな雰囲気と聴き込むと怖さを感じさせる歌詞のギャップが話題になったのが、初音ミクをボーカロイドに使用する「少女レイ」です。セミの声や波の音など、夏を感じさせる効果音が入れ込まれており、曲調だけであれば楽しい青春をイメージさせます。
モチーフになっているのは、野島 伸司さん脚本のドラマ『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』です。モチーフを知ると、ドロドロとした陰鬱な感情を滲ませる歌詞を理解しやすくなるでしょう。
1-10.命に嫌われている。/カンザキイオリ
2022年の『NHK紅白歌合戦』で注目を集めたのが、「命に嫌われている。」です。ピアノと弦楽器を活用した壮大な世界観の楽曲に歌を乗せているのは、初音ミクです。
周囲が楽しんでいるものを楽しめない疎外感や若さゆえの刺々しさなど、若者が感じる生きづらさを命を擬人的に捉えることにより表現し共感を集めました。負の感情を中心にしつつも、終盤には周囲と向き合い進んでいく一筋の光が見える奥深い歌詞です。
2.【2023年最新】ボカロおすすめ名曲3選
発表されてから年月が経った現在も、ボーカロイドカラオケランキングの上位に入っている曲もあります。ここでは、ボカロを語る上で外せないおすすめ曲を3つを紹介します。
・千本桜/ 黒うさP
和楽器バンドや小林幸子さんなど有名アーティストにもカバーされている「千本桜」は、ボカロの有名曲の1つです。日本人が親しみやすい音階をベースにした旋律と日本語ならではの語呂の良さを生かした歌詞は、ボカロ初心者の方にもおすすめできます。
・アスノヨゾラ哨戒班/Orangestar
大切な方との別れを題材にした歌詞をスピード感のあるメロディーに乗せることにより、共感しやすい雰囲気に仕上げているのが、「アスノヨゾラ哨戒班」です。静かなメロディーからサビにかけての盛り上がりは、夜明けの情景を表しているかのような爽やかさです。
・シャルル/バルーン
お洒落なロックサウンドと切ない歌詞で人気を集めているのが、「シャルル」です。特徴的なサビのメロディと、楽曲の切ない雰囲気にマッチするVOCALOID・flowerの声に中毒性を感じる方が後を絶ちません。
まとめ
VOCALOIDなどの音声合成ソフトを使用した楽曲をボカロ曲といい、近年では多くの楽曲がどうか配信サイト・音楽配信サイトで発表されています。
2023年のボカロ人気曲の中にはカラオケの総合ランキングの上位にも入ってくる楽曲もあり、歌詞の内容も重要視された楽曲が多い傾向です。これまで長く人気を博してきたDECO*27さんやみきとPさんだけでなく、すりぃさんやツミキさんなど新しいボカロPも登場しています。気になったボカロPがいる場合は、ぜひ他の曲もチェックしてくださいね!
※当記事は2023年5月時点の情報をもとに作成しています