天は赤い河のほとり

「天は赤い河のほとり」は、宝塚歌劇団宙組により2018年に公演された作品。1995年〜2002年に少女コミックで連載され圧倒的な人気を誇り、今でもファンの多い篠原千絵による少女漫画が原作。宝塚らしさがあると以前より舞台化を希望する声が多く、タカラジェンヌの中にも愛月ひかるなどこの作品の役を演じたい生徒がいた。舞台は紀元前14世紀、古代オリエントのヒッタイト帝国。自分が産んだ皇子を皇位に継かせるために他の皇子を陥れようとするナキアにより、呪術の形代としてタイムスリップさせられた普通の女子高生、ユーリ。優れた才能で圧倒的な世継ぎ候補であった第3皇子のカイルは、ユーリを側室として娶り、彼女を守る。ユーリもカイルの弟ザナンザやエジプトの将軍ラムセス、隣国のマッティワザとの出会いを通し、戦いの女神「イシュタル」として民衆にも受け入れられるようになるという物語。初の舞台化ということで、ナンバーも衣装もすべて新鮮なものである。また、キャストの再現度が高いことでテレビ放映された際にカイルやラムセスの美しさ、かっこよさが原作のファンの間でも話題になった。全28巻という大作を1時間30分でまとめた演出家の小柳奈穂子にも称賛の声が集まる。原作者の篠原千絵も何度も劇場に足を運ぶほどのファンになり、続編やスピンオフを含め再演を希望する声も多い。